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117-Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---New Life 4/ 新しき生 4

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試練経て心平らか武士道を腹にすえ君は肉体 ( にく ) と離 ( か ) れしか amidst hardships of painful life-- have you gained peaceful spirit of Bushido and left your mortal body?     (C)2021Rika Inami 稲美 里佳 前回116 よ り            はじまり <新しき生 4>  そして私は、彼が死んだことを知ったとき、ここ数日間マイト.ダイが私の投稿に来ていなかったことを思い出した。私はマイト . ダイのソーシャルメディア Y 上の彼のページに行ってみた。  本体の科学者H がこの世を去ったという日の、そのトップページには、このような投稿があった。 「 …… ああ …… もうすぐ変わる …… すぐだ、すぐだ …… ああ~~」という絶叫のような一葉の言葉が投稿されていた。 その投稿の前には、彼の俳句が掲載されていた。   <波ひかり糸のふるえは空にさく> a shining wave-- a quivering thread sparks to the sky  ソフィアは詩、写真、絵、デジタルペインティングと多芸であったが、そのなかには剣道もあった。剣道については、自分の画像を長いロングヘア―をポニーテイルにゆいあげた女剣士にしていた。それは形のみが分かる、黒いしなやかなシルエットを思わせる影絵であった。 「僕は毎朝素振りし、剣道を練習しているんだ」とソフィアは言っていた。   彼の死後に知り合った、ソフィアとは別のアカウントも剣道に打ち込み、プロフィールアイコンは剣道着姿であった。   今、私はマイト.ダイの絶叫と俳句を読み返してみて、彼は意識がありながら、その瞬間に臨んだのではなかと思った。どこもまでも見極めたいという彼の科学者精神がそうさせたのであろうか。いや、それよりもむしろ、私の瞼に浮かんだのは日本、日本人が大好きであり、剣道に打ち込んでいたソフィアの影絵であり、剣道着の姿であった。武士道という言葉が私に閃いた。その魂で、彼は 勇気をもって、腹を切るような思いで、直前まで明晰な意識をもって、この世の言葉である死に臨み、彼の現世での肉体から離れた