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7月, 2020の投稿を表示しています

90--Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---AI 10

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90 長梅雨の甚雨(ひさめ)ののちに朧月まさか越えしか闇夜にうかぶ hazy moon appears in the dark sky after passing a crisis of heavy rainfall amid the long rainy season (C)2020Rika Inami 稲美 里佳 ※The moon was taken last night, July 28th.2020. 前回 8 9 より  椅子に座っていた男がカルロの本体か、と私は思った。私の前に現れた他の 2 人のカルロは、私に送られたカルロの部下にちがいない。  トップの風貌と、英語やスペイン語やイタリア語やフランス語で絶叫するかのように「カルロ!」と書き込んだフォロアーのコメントから、私はヨーロッパ系の組織だと思った。    なぜ、私に目をつけたのか。日本人のこの目立たない、つまらない女に。彼らが感知し検知した何かからだ。私は嘗て、無料通信アプリの S で、国際ロマンス詐欺に騙されそうになったことがあった。それは有名な犯罪詐欺組織であった。私に送られてきたメールは、そのソースから、各地を経由して私の元に届いたことが分かっていた。ある1通は、アフリカから発信し、アメリカに渡り、アイルランドを経由して私の元に達していた。最後のアイルランドからの発信メールには、真っ赤な薔薇の写真と情熱的な愛の詩が添えられていた。ここまでは良かった。遊びで済ませられた。  その後の無料通信アプリ S 上での会話でグループで、数人の男の一団に絡まれたときには怖かった。 つづく The Story in English from  Previous 89 I thought that the man in the chair was genuine Carlo.  The other two Carlo who appeared before me must have been Carlo's subordinates sent to me. The top`s appearance and the follower's comments that

89--Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---AI 9

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89 観音の数珠かとまがふ蜘蛛の糸 雨後にまひかる睡蓮の池辺 a silk web alike Kannon's beads shines out-- by the pond of water lily after raining ※Kannon is Bodhisattva/ the Goddess of Mercy. (C)2020Rika Inami稲美 里佳 前回 8 8 より 予感が走った。その日も、いかつい葉巻をくわえた男がやってきた。私は、彼の後を追って、彼の投稿ページへと目を走らせた。 あっ、私は一瞬息を呑んだ。今までのページとは違っていた。中央にどっしりとした椅子に長い脚を大きく広げ腰を下ろした男がいた。 50 代だろうか。グレー交じりの髪。欧米系の整った顔。目は静かに光をはなち、知性の翳りを見せやや見降ろしていた。おそらく長身のその体躯からは、自己と配下の管理によって培ってきた威厳が感じられた。 その男の大きくクローズアップされた写真。続くのは、彼の写真の横幅 1/3 サイズのコメント欄に投稿されたコメントと写真がずらりと 3 列に下にずっと続いていた。 「カルロ!」、「カルロ!」、「カルロ!」、「カルロ!」、「カルロ!」、どのコメントも絶賛するかのように、感嘆符付きで、彼の名を呼んでいた。彼らの叫びを飾っていたのは美しい花と女性の写真であった。    何者か? プロフィールの紹介文を読むと、アメリカのファイナンス会社のトップであった。「建前か」と私は思った。      つづく   The Story in English from  Previous 88       A premonition ran through me.   That day, too, a man arrived with a nasty cigar in his hand.   I followed him and ran my eyes over to his post page.       Oh, I gasped for a moment. That wasn't like any oth

88--Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---AI 8

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88 みっしりと浮葉のこむる池の冥きより睡蓮はふくらみゆけり closely lots of leaves floating on the pond… flowers of water lily blooming from abyss (C)2020Rika Inami 稲美 里佳 前回 8 7 より またある日、高い鼻がやや曲がり気味のいかつい強面(こわおもて)の男が SNS Y の私の投稿ページにちらついた。濃いグレーの Y シャツに同系色の白っぽいネクタイ、ベスト付のグレーのストライプのスーツを着て、葉巻をくわえていた。にこりともせず、じっとしかつめ顔でそこに居た。 名前を見ると「カルロ」であった。「あの人と同じだ」。彼の投稿ページを見ると、いつもの「カルロ」のページであった。同じ名前を名乗り、 SNS の Y の同じ投稿ページを共有する二人の男が存在していた。変だな、と思った。 つづく The Story in English from  Previous 87       One day, a man having a fierce look with a slightly curved high nose flickers on my post page of the social media Y.   He wore a dark grey outing-shirt, a whitish tie of similar colour, a grey striped suit with a vest, and a cigar.   He didn't grin and was there with that grave look.      I looked at his name.    It was "Carlo". "It's the same as that person." I visited his   post page.    It was Carlo's page familiar to me.  Giving the same name, there were two gu

87--Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---AI 7

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87 銀縷なる ひとつゆかりか朱の忘れ草 蜘蛛の糸一本ひける  a silver chord? a relationship between you and me... a spider-silk seducing an orange day-lily (C)2020Rika Inami 稲美 里佳 前回 8 6 より 紺色の Y シャツに深みのあるグレーのネクタイ、同系色のグレーのベストをきちんと着こなし腕を組んでいる男が、私の脳裏に鮮明に残っている。 名前はカルロ。彼はにこやかに微笑み、温かそうな人懐こい印象を私に与えた。たまに私の投稿ページに訪れた。最初の頃は、その日の投稿したばかりの短歌や写真にナイスをくれ、簡単に beautiful, wonderful とコメントをして、さり気なく去った。何回かそんなナイスを重ねるうちに、友だちになった。 ある日、彼は、私の投稿ページを奥深くさぐるかのように、日を遡って、 1 年以上前の投稿にもナイスを置いていった。あれ、こんな古い投稿にも、と私は思った。ソフィアの魅力に憑りつかれていたかのような日々にあっても、たまにやってくる彼の存在は私にとって大きかった。 つづく The Story in English from  Previous 86 A man wearing his dark blue outing-shirt, a deep grey tie, and a grey vest of a similar colour properly, with his arms crossed remains in my mind. His name was Carlo.  He smiled and gave me a warm and friendly impression. He visited my post page once in a while.   In the beginning, he gave Nices and briefly commented “wonderful” or “beautiful” to my tanka and photos which I had just posted that da