119-Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---New Life 6/ 新しき生 6
蝋燭の焔のゆらぎ … 訪ふは君の御霊か春彼岸入 flickering candle flame is it your spirit visiting us? the first day of the vernal equinox week (C )2021Rika Inami 稲美 里佳 前回118 よ り はじまり <新しき生 6> 私はシャロンの詩を読んだ。 ------ ----- ---- ----- ----- ----- 今、私は長くて暝いトンネルを抜けてきたの 真っ暗な中をずっと歩いてきたの 真っ暗だから道があるかどうかも分からなかったわ ただ遮二無二に歩いていたわ 右往左往しながらも 這いながらも なんとか進んだわ ときどき 悲鳴をあげることもあったわ あ 誰かが私の叫びを聞いたみたい 「どうしたんですか」 声を聞いたとき そこに光があるのかしらと思ったけれど ここから抜け出すことができるのかしらと思ったけれど ただ こう言っただけだったわ 「あ なんでもないんです …… 」 それ以上 話せるほどの自信はなかったわ 語れる苦はまだいいわ 語れない苦があるなんて 誰が知っているでしょう そして また進んだわ ここまま生きていることに疑問を覚えたけど 闇の世界に慣れてきたのかしら とにかく生きて歩いていることだけは感じていたわ ………………… ………………… あ ぼんやりと何か見えてきた 光かしら あ きっと光だわ 向こうからのようだわ ” 私は光に向かって歩いていった ……. ------ ----- ---- ----- ----- ----- 詩にはトンネルと満開の桜の写真が添えられてあった。 私は彼女の詩を読み、「意味が深そうな素敵な詩ですね」と軽く感想を述べた。 シャロン:「今日子さん、ありがとうございます。私は長い間、痛みと恐怖のために祈ることができませんでしたが、今は良くなっています。金色の煌めきのなかにも銀色の糸 が光っています」 つづく The Story in Englis