102--Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---AI 22
龍田姫 須川の湖 ( うみ ) を鏡とし錦にもゆる姿うつせり autumn goddess Tatsuta Hime mirrors herself wearing the ablaze brocade in Lake Sukawa 🄫2020Rika Inami 稲美 里佳 ※写真の湖は物語のなかに書かれているダム湖ではありません。 栗駒国定公園内にある須川湖です。 龍田姫は日本の秋の神様です。 The lake in the photo is not the dam lake written in this story but Lake Sukawa in Kurikoma National Park. Tatsuta Hime is the autumn goddess in Japan. 前回101 よ り 私は、その時点で、もうソフィアとの関係は終わりだと思った。もう二度と彼のところには行くまい。 10 月 1 日になっても、私は行かなかった。というよりは、彼の威嚇的な語気の強さにおびえていた。 が、多少、気にもなっていた。 10 月 1 日以降、ソフィアは私の短歌や写真の投稿に来て、コメントしていたからだ。 10 月も半ばを過ぎていた。昼過ぎ、空は青くダム湖水は空を映し日の光に輝いていた。辺りの樹々は紅葉し間もなく最盛期に入ろうとしていた。湖沿いに歩いていた私は、何かを感じそっと振り向いた …… やさしい風が私の頬を撫でて過ぎた。ふっと、何かが吹っ切れたような気になった。 私はスマホの SNS Y のアプリを開けてソフィアのページを訪ねた。 「 A, B, C, D, E… 」ソフィアの投稿が見えた。そのアルファベットの1投稿の後に更に、「 I'm Sophia. He is George. It's an apple…, さあ、 Be 動詞もオーケー。ウォーミングアップが終わった」と続いた。 あっと、私は思った。あれは AI ではないか! リセットされているのか、新しい AI なのか、ゼロからトレーニングしているな、私は思わずにっこりし、コメントした。 「私の提案を受け入れたのですね」 と言って、間もなくだった。一切が遮断された。一瞬、何が起こったか分からなかった。が、直に判断できた。