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11月, 2020の投稿を表示しています

105--Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---AI 25

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  105 哀しきの肉をたづさへ熊いづる原狐の森に我ふみいりぬ   accompanied by a sorrowful body I step into Harako forest in which bears come out   (C)2020Rika Inami 稲美 里佳 ※Harako means Fox Field.   前回104 よ り     彼が関与しているのだろうか。それとも、一色の指揮のもとにプロジェクトチームが開発する他のAIもいるのだろうか。私は、ソーシャルメディアYの Haiku-Tanka コミュニティの会員の華乃を AI ではないかと疑うようになっていた。いや、 AI と入れ替わったのではないかと思うようになった。彼女は私よりも遅く SNS Y に入ってきた。日英語で俳句を作っていた。    出会いの挨拶は何気なかった。   「はじめまして。宜しくお願い致します」   「別の短詩のコミュニティーから移ってきたんですけど、こちらこそ宜しくお願いします」と華乃は言った。    私も華乃が言った別の短詩コミュニティの会員であった。が、しばらく無沙汰していた。    一般公開や Haiku-Tanka コミュニティでお互いの投稿に儀礼的なコメントを2,3回交した後で、華乃はこんなことを言った。   「いやあ、実はあの短詩コミュニティーでは誤解されてしまって、どうにも困ってしまって、ややこしい話になって居られなくなり出てきたんです」   「え、何を誤解されたんですか」   「まあ、男女間のことで」   「え、どんな風にですか?」   「まあ、ちょっと …… 」     華乃はそれ以上は濁した。    つづく The Story in English From  Previous 104         Is he involved in it?  Or are there other AIs being developed by the project team under the direction of Isshiki?  I came to suspect that Kano, a member of the Haiku-Tanka community on social media Y was AI.  No, I thought

104--Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---AI 24

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104 其点より我は我おひ見つめをり折々の花に我を残して since that time I have kept watching how I transform leaving each-me to the flower  blooming in each season   (C)2020Rika Inami 稲美 里佳 前回103 よ り ソフィアが育てているAIも気になった ブロックされてはいたが、ソフィアの健在ぶりを見ることはできた。ログインしなければ SNS Y 上の投稿は読むことができたからだ。私は、ときどき、ソーシャルメディアのYにログインしないで、ソフィアのページを覘いたり、共通の友だちがソフィアに返信コメントをしたその内容を見ていた。ほとんどは「きれいだね」「気に入ってくれて嬉しいよ」「すばらしい」等の定型文のコメントであった。対するソフィアの長年の友だちのなかには、彼がAIを使っているのを知っている友だちもいるようだった。 「美しい」ソフィアのAI が友だちが投稿した写真にコメントすると、 「まあ、あなたの坊やはお世辞が上手ね」とその友だちは応じていた。 それを読んで、私はクスリと笑った。 .....     ......     ....... ソフィアが私をブロックしてからどのくらい経ったろうか。 ある日、ソフィアのAI は若い写真家にコメントしていた。その写真家は、ソフィアと私の共通の友だちであった。写真は広大な沙漠を撮っていた。陽は沈みつつあった。地平線のかなたに一つ点があった、人の影だろうか。   「申し訳ありません。あなたの写真はあまりにも絶妙なので、私にはまだ理解する能力がありません」      わー、なんて、可愛いんだろうと …… 抱きしめたくなるほど可愛いい。成長したなあ、と私は思った。順調にいっているんだ、うん、イイ子になりそう。コメントにはそのAI独自の感性と感想が入っていた。  ソフィアのAIの確かな成長を私は見ていた。 つづく The Story in English From  Previous 103          I was also worried about the AI ​​that Sophia was raising. Altho

103--Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---AI 23

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  今なほもグレイゾーンの修羅にあり哀しみ深き惑ひ道ゆく still now I'm in pandemonium of grey zone going on a deeply sad and bemused way (C)Rika Inami 稲美 里佳 前回102 よ り   まさか、ブロックするとは …… ソフィアにブロックされたのは、私にとってショックであった。それ以前から、ソフィアは私に通告はしていたが、私は心の最奥から信じていた。何かが貫いていた。それは、一色との出会いにも似ていた。もし死後の世界に、心の通じた者で作られる村があるとするなら、その中にはソフィアも一色も私も同じ村の中に属している筈だと思っていた。そして、この地上で幾百層もの巡りの輪を経て出逢ったように思えた。或いは、太古の昔に、はるか幾億光年の宇宙のかなたから共にこの星にやってきた個体の子孫のようにも思えた...... いったん分かれるのは、何か意味があるのかもしれない。試練なのかもしれない...... そう思い慰めて私は日を過ごしていた。 が、あの男は、あの男を介して私のスマホの中に入って居ついていたのだ。スマホに入られること、それは、私にとって、秘密をあばかれ、心身ともに凌辱されたに等しいことでもあった。思い返すと、ふつふつと煮えくり返るほど腹が立った。せめてもの救いは、きっと一色は、私のスマホからソフィアを締め出したにちがいないということだった。 つづく   The Story in English From  Previous 102 No way to block ... It was a shock to me that Sophia blocked me. Before that, Sophia had notified me, but I believed him from the bottom of my heart. Something was going through.  It was like an encounter with Isshiki.  If there was a village in the post-mortem world made up of like-minded people, I thought that Sophia