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120-Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---New Life 7/ 新しき生 7

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120 こもり沼(ぬ)は雪に閉ざされ行き難し君もさすらふ名残りの魂 ( たま ) か still, the secret pond is closed by snow and difficult to reach… a lingering soul drifting away maybe, you, too (C)2021Rika Inami稲美 里佳 前回119 よ り            はじまり <新しき生 7>   私は SNS Y 上のシャロンのページも訪ね、投稿を見た。彼女のページは膨大な量の写真で埋められた。もうずっと前からアカウントはあるかと錯覚するほど、数百枚? 数千枚? はあろうかと思われる写真の量であった。世界の至るところの写真が投稿されていた。各地の海山の名所、人々、花々、動物、魚類 ...... 古いモノクロ写真からカラー写真。延々と写真は続いていた。始まりの日を知るため、私はマウスを動かして写真をしばらく遡った。はじまりは、私にチャットで話しかけてきた日であった。私には、その始まりの日を消すために、彼女は写真を次々に投稿したように思えた。フォロアーや友だちはなく、コ メントする人もいなかった。  その膨大な写真の投稿は、ただ彼女のアカウント作成時期を知られまいとしてだったのだろうか。同時に 、まるで世界を巡りこの世の全てを知りたいという彼女の願いから来ているようにも私には見えた。 つづく The Story in English From  Previous 119     Start    <New Life 7> I also visited her page on SNS Y and saw her posts. Her page was filled with a massive amount of photos. Hundreds?   Thousands of photos? To the point where I was under the illusion that she had an account for a long time now?   Photos seemed to be posted from all over the world.  Places

119-Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---New Life 6/ 新しき生 6

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  蝋燭の焔のゆらぎ … 訪ふは君の御霊か春彼岸入    flickering candle flame is it your spirit visiting us? the first day of the vernal equinox week   (C )2021Rika Inami 稲美 里佳 前回118 よ り            はじまり <新しき生 6>    私はシャロンの詩を読んだ。 ------     -----    ----     -----     -----     -----    今、私は長くて暝いトンネルを抜けてきたの 真っ暗な中をずっと歩いてきたの 真っ暗だから道があるかどうかも分からなかったわ ただ遮二無二に歩いていたわ 右往左往しながらも 這いながらも なんとか進んだわ ときどき 悲鳴をあげることもあったわ あ 誰かが私の叫びを聞いたみたい 「どうしたんですか」 声を聞いたとき そこに光があるのかしらと思ったけれど ここから抜け出すことができるのかしらと思ったけれど ただ こう言っただけだったわ 「あ なんでもないんです …… 」 それ以上 話せるほどの自信はなかったわ 語れる苦はまだいいわ 語れない苦があるなんて  誰が知っているでしょう そして また進んだわ ここまま生きていることに疑問を覚えたけど 闇の世界に慣れてきたのかしら とにかく生きて歩いていることだけは感じていたわ ………………… ………………… あ ぼんやりと何か見えてきた 光かしら あ きっと光だわ 向こうからのようだわ ” 私は光に向かって歩いていった ……. ------     -----    ----     -----     -----     ----- 詩にはトンネルと満開の桜の写真が添えられてあった。 私は彼女の詩を読み、「意味が深そうな素敵な詩ですね」と軽く感想を述べた。   シャロン:「今日子さん、ありがとうございます。私は長い間、痛みと恐怖のために祈ることができませんでしたが、今は良くなっています。金色の煌めきのなかにも銀色の糸 が光っています」 つづく The Story in Englis

118-Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---New Life 5/ 新しき生 5

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  ますらをに一首献ずれば地吹雪はやうやうに已み春一閃   my tanka being dedicated to the brave finally blizzards ended up spring flashing up (C)2021Rika Inami稲美 里佳 前回117 よ り            はじまり <新しき生 5> その後、ソフィアは回復していった。が、ソフィアのページにくる友だちは以前と比して少なくなっていったように見えた。日を追って、どこからともなく、ソフィアは生きていない人らしいという噂が立ったのであろうか。ソフィアの友だちは以前にも増して限定されていった。そして、それがまた私の嫉妬心を搔き立てた。  私に起きた変化といえば、突然、まるで旧知の親しい友だちのように、一人のふくよかな体型をし、顔に笑顔を湛えたシャロンという名前の女性が現れた。彼女はソーシャルメディア Y のプライベートメッセージで話しかけてきた。私に詩を読んでほしいと接してきた。  シャロン:「今日子、ここは 10 日間雨が降っていなかったので、今日はあなたのことばかり思っていました。私の詩を読んでくれませんか?」   彼女からのメッセージを読んで、直ぐに私は、彼女がソフィア(本体は科学者 S )であることと察した。私の目から涙が滲んできた。それは、愛する存在を喪ったときの深い哀しみの涙であった。たとえ、ソフィアにブロックされていたとはいえ、私は彼を愛していた。そして、泣きながらも、とにかくブランドンと同じように、彼女をサポートしなければならないと思った。   つづく The Story in English From  Previous 117      Start    <New Life 5>       After that, Sofia got better.  However, the number of friends who visited her page seemed to be smaller than before.  As the days went by, out of nowhere, did rumours start that Sophia was apparently a per