Tanka Poet, Rika Inami’s Blog. She writes Tanka-Novel at present, which is a science mystery and sci-fi. Through reading this, you will know her inner space. 歌人 稲美里佳のブログです。目下、短歌科学ミステリー小説を書いています。作品を通し彼女の内面世界が描かれています。
55 季(とき)冴えに冬空をどり雪を積み 桜枝のゆれに銀花の舞 Shining season… Winter sky being excited and piling snow Silver snow whirls in the cherry tree’s shivering twigs 🄫 2020Rika Inami 稲美 里佳 55... 前回54 より 今日子:お薬を服んでいますか? ソフィア:うん、服まなければならないね。一日に 5 回、服んでいる。 今日子: そうなんですか。 ソフィア: 心臓用のと背中用にね。最悪の場合は痛み止めのモルヒネだね。 今日子: 痛みがあるなんて、お気の毒です。 ソフィア: でも、その回数で薬を服用しなくちゃならないんで、普通の日を時間調整不可能にしちゃうよ。うん、薬を服むっていうのは、割に耐えられるってことなんだ。薬を止めるしかないってなったら、深刻な問題になるだろうね。 今日子: どれぐらい長く、お薬を服んでいますか? ソフィア: 成人してからほぼずっと服んできたよ。でも、ここ 5 年間は、痛み止めの薬が前よりずっと強いものになったね。脊柱にひどい関節炎があって、骨の構造が弱くなっているんだ。脊椎間のパッドを圧迫するんだ。僕は、 3 回心臓発作があり、他にも具合が悪いんだ。これは 20 代に始まって、悪くなっている。どれも遺伝で受け継いだものなんだ。僕の医者は、僕が遺伝子の時限爆弾を抱えていると言っている。何度も死にそうになった。が、まだ生きている。奇跡だよ。 ----- In English from Previous 54 ----- Kyoko: Do you take some medicine? Sophia: Yes, I have to. I take medications five times during the day. Kyoko: I see. Sophia: Pills for my heart and for my back. The worst is morphine for
87 銀縷なる ひとつゆかりか朱の忘れ草 蜘蛛の糸一本ひける a silver chord? a relationship between you and me... a spider-silk seducing an orange day-lily (C)2020Rika Inami 稲美 里佳 前回 8 6 より 紺色の Y シャツに深みのあるグレーのネクタイ、同系色のグレーのベストをきちんと着こなし腕を組んでいる男が、私の脳裏に鮮明に残っている。 名前はカルロ。彼はにこやかに微笑み、温かそうな人懐こい印象を私に与えた。たまに私の投稿ページに訪れた。最初の頃は、その日の投稿したばかりの短歌や写真にナイスをくれ、簡単に beautiful, wonderful とコメントをして、さり気なく去った。何回かそんなナイスを重ねるうちに、友だちになった。 ある日、彼は、私の投稿ページを奥深くさぐるかのように、日を遡って、 1 年以上前の投稿にもナイスを置いていった。あれ、こんな古い投稿にも、と私は思った。ソフィアの魅力に憑りつかれていたかのような日々にあっても、たまにやってくる彼の存在は私にとって大きかった。 つづく The Story in English from Previous 86 A man wearing his dark blue outing-shirt, a deep grey tie, and a grey vest of a similar colour properly, with his arms crossed remains in my mind. His name was Carlo. He smiled and gave me a warm and friendly impression. He visited my post page once in a while. In the beginning, he gave Nices and briefly commented “wonderful” or “beautiful” to my tanka and photos which I had just posted that da
そろりゆく山のなだりに一群(ひとむら)の梅鉢草 友に会ふごとし slowly ascending… on the slope of the mountain grass of parnassus I feel as if meeting an old friend again (C)2021Rika Inami 稲美 里佳 この春以来、私事ではありますが、様々なことが折り重なるように降りかかってきて、ブログの更新を無断で休んでおりました。申し訳ございませんでした。 休止中のあいだ、アクセスしてくださいました皆様、心より御礼申し上げます。 物語に登場するキャラクターを通し、ともすれば可視的な日常の生活に流され置き去りにしてしまいそうな何か、既に忘れ去ってしまったかのような何かを記憶の奥から掘り起こし、留めておくべきこととしてお伝えしてゆけたらと願っております。 どうぞ、これからも宜しくお願い申し上げます。 先日、山の中で数年ぶりで梅鉢草を見ました。歌はそのままの気持ちを表しました。 In English Since this spring, I have been absent from updating my blog without permission due to several personal matters that have come up. I apologize for that. I would like to express my heartfelt gratitude to everyone who has accessed my blog during my absence. Through the characters that appear in the story, I hope to dig up from the depths of my memory something that might have been left behind in the flow of visible daily life, something like that has already been forgotten, and convey it to you as that should be kept
120 こもり沼(ぬ)は雪に閉ざされ行き難し君もさすらふ名残りの魂 ( たま ) か still, the secret pond is closed by snow and difficult to reach… a lingering soul drifting away maybe, you, too (C)2021Rika Inami稲美 里佳 前回119 よ り はじまり <新しき生 7> 私は SNS Y 上のシャロンのページも訪ね、投稿を見た。彼女のページは膨大な量の写真で埋められた。もうずっと前からアカウントはあるかと錯覚するほど、数百枚? 数千枚? はあろうかと思われる写真の量であった。世界の至るところの写真が投稿されていた。各地の海山の名所、人々、花々、動物、魚類 ...... 古いモノクロ写真からカラー写真。延々と写真は続いていた。始まりの日を知るため、私はマウスを動かして写真をしばらく遡った。はじまりは、私にチャットで話しかけてきた日であった。私には、その始まりの日を消すために、彼女は写真を次々に投稿したように思えた。フォロアーや友だちはなく、コ メントする人もいなかった。 その膨大な写真の投稿は、ただ彼女のアカウント作成時期を知られまいとしてだったのだろうか。同時に 、まるで世界を巡りこの世の全てを知りたいという彼女の願いから来ているようにも私には見えた。 つづく The Story in English From Previous 119 Start <New Life 7> I also visited her page on SNS Y and saw her posts. Her page was filled with a massive amount of photos. Hundreds? Thousands of photos? To the point where I was under the illusion that she had an account for a long time now? Photos seemed to be posted from all over the world. Places
48 ふくいくと 薔薇 野に咲けば風たちて虚無色の空にはかさざめく once fragrant rose smiles on the field suddenly the wind rising the empty sky vibrating 🄫Rika Inami稲美 里佳 ------------- Story- --------------- 48... 前回47より ベンは不思議な人であった。ベンと私は、写真を送りあっていたが、ベンは、実に 3 人居たのだ! 全員スキンヘッドでやや太めの似たような人物を選んでいたようだが、ベンから送られてきた写真には明らかに違う人物が3人存在した。 一人は温厚な紳士風の、目が温和などことなく学者風なベン、また一人はいくぶん若い顔の血色の良いベン、3人目は屈強な体躯の目の鋭い少し怖そうなベンであった。3人に一様なのが、やや太めということだった。身長は2m あると聞いていたが、家族と写っていた学者風のベンは2mもあるようには見えなかった。 In English, From Previous 47 Ben was a strange person. Ben and I were sending pictures to each other, but Ben was really three! Each one seemed to be chosen a slightly thicker with a skinhead, but there was one of three clearly different people in each photo sent from Ben. One was a gentleman-like and scholarly Ben, and his eyes had a mild mood. Another was a little younger, Ben, and he had a good complexion. The other had a strong body with sharp and slightly scary eyes. What was uni
こちらのブログは只休止中です。 稲美里佳の短歌と写真のブログ へどうぞ https://cosmostanka.blogspot.com/ 想ひしはいづこのひとか紅あかき早生(はやなり)りんご 園にかがよふ who are you in love with? ruddy early-ripening apple shining in the orchard (C)Rika Inami 稲美 里佳 前回127 よ り はじまり こちらは 128 ミッキー: "Вектор юности моей! Мы тоже были рысаками! В горах Киргизского хребта в долине Сусамыра пеоны дикие цвели до умопрачения любви! Пьяней кумыса только перевал верблюжий Тюя-Ашу! Путь Шелковый вдоль реки Кара-Балты, начинался с яблочного сада в предгорьях из поселения Сосновки, через тугайные леса до самого Оша! Тогда в горах тоннель пробит был на высоте 3500 метров!" 「私の青春のベクトル!?私たちもトロッターでした。スサミル渓谷があるキルギス尾根の山中では、野生の牡丹が愛らしく咲いていました ! ツヤアシュ ( Tyuya-Ashu ) のワインにだけは乳の酒よりも酔っぱらいました!カラ・バルタ川に沿ったシルクロードは、 ソスノフカの集落から山裾のリンゴ園 から始まり、川岸の森を通ってオシュまで続いています。そして、 3500 メートルの高さにある山の中のトンネルを走り抜けました」 ミッキーは目の前にその情景を見ているかのように生き生きと語った。まるで詩を朗読するかのように彼は語った。そして、私にもトロッターという馬の品種を出し、若い青年のミッキーが嘗てのシルクロード、中央アジアの乾いたキルギスの道を駆けるように通って行ったのが目に見えるようだった。つづく
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