Tanka Poet, Rika Inami’s Blog. She writes Tanka-Novel at present, which is a science mystery and sci-fi. Through reading this, you will know her inner space. 歌人 稲美里佳のブログです。目下、短歌科学ミステリー小説を書いています。作品を通し彼女の内面世界が描かれています。
54 円かなるものにつつまれ夜半めざむ 縁 ( えにし ) たどりて出会ひし故か at midnight enwrapped in something sweet I wake up… is it because I met you by following each destiny? 🄫Rika Inami稲美 里佳 ----Story--- 54 ... 前回 53 より ソフィアと私は、約束通りソフィアが話しかけてきてくれてから 1 時間後にチャットを再開した。 ソフィア:こんにちは、また来たよ。うん、ユアトーキングを調べていたんだ。その仕様から考えると、実にコミュニケーションには適したシステムだね。が、それでいて、動作させることができなかったときには、驚いたよ。でも、問題なし。これは、よく動いてくれる。全く問題なし。とても嬉しいね。特別なことは心配してないよ。 今日子:ユアトーキングを使ったことはありますか? ソフィア:時々ね。時々、それは他のコミュニケーションツールよりも良い。よくやってくれる限りは、素晴らしい。 ------ ----- ----- ----- ----- さあ、彼とのチャットが始まった。私が一番知りたかったことは、彼の健康状態についてであった。 ソフィアの健康状態が優れないということは分かっていた。何の病気だかしら? 訊いてみたが、話してはくれなかった。 WEB 上の仮の名前での付き合い、本当かどうか分からないが、症状だけは話してくれた。 ----- In English from Previous 53 ----- Sophia and I resumed chatting an hour after Sofia spoke, as promised Sophia: Hello. Back again...
45 かなしみは闇をつんざき響きをり 君 この慟哭がきこえるか my sorrow rends the darkness resonating... you, can you hear this crying? 🄫2019Rika Inami 稲美 里佳 ------------- Story- --------------- 45... 前回44より ベンとは思えない ... 私はチャット相手は別の人間だと思った。おそらくソフィアだろう。 ソフィアが、私のスマホのバックドアから入ってきて、歩数計のアプリを見て、私が今朝散歩をしなかったのを知ったに違いない。もしソフィアだとしたら、一色もさほどきつく注意事項を伝えなかったのかもしれない。 ソフィアを私のスマホのなかに入れたということは、やはり科学者か。 以前にも私は SNS Y 上でアメリカの大学で教鞭をとっている数学者と出会った。日本に関心があり、多少の日本語を知っていた。私は、彼に私の文書や短歌の英訳をチェックしてくれるように頼んだこともあった。が、彼は私のスマホに入ってきたことは無い。バックドアの秘密を教え、興味をもった私のなかに入れることを許容したということは、かなりの科学者か …… 天才科学者 H!!! In English, From Previous 44 …I could not think it was Ben ... I thought the chat partner was another person ...probably Sofia. Sofia must have come in my smartphone through the backdoor, looking at the pedometer app, and would know that I didn't take a walk this morning. If it was Sofia, Isshiki might not have conveyed the precautions too tightly. He...
56 白々とあはひ煌めく雪靄は天女の衣か 冬の谿間(たにあい) Snow-mist between welkin and earth brightens white like Celestial Maiden’s raiment …a wintry valley 🄫2020Rika Inami 稲美 里佳 --- 前回 55 より--- ここで、ソフィアは話を変えた。チャットのリードをしているのはソフィアであった。私は、チャットの流れでソフィアの英語を素早く読み取ってゆくことに精いっぱいで、それ以上、彼の病気について訊かず、彼の流れに従った。 ..... ..... ..... ..... ..... ソフィア: 僕は大人になってからの人生のほとんどを自分よりも若い人たちと一緒にやってきて、助力を提供しようとしたんだ。援助と知恵だよ。そうして、僕よりも幸せでない人たちが、世界でよりうまくやっていくことを覚えたんだ。それはフェアトレード(公正な取引)だと思っている。 今日子: 私もそう思います。私のメッセージ、とても短くて、ごめんなさい。 ソフィア:問題なしさ。オンラインでは、僕はたくさん話しがちになる ( 笑 ) 。 今日子:ええ、おっしゃっていることは理解していると思います。インターネットはおしゃべりにします。 ソフィア:そうだ、それだよ。 ----Story in English from Previous 55 --- Here, Sofia changed the story. Sophia was leading the chat. I was so enthusiastic about scanning Sofia's English in the chat flow that I followed his ...
冬越しす隈笹の葉のはなやげる春となり我が毒解かれしや in spring… Kuma Bamboo grasses passing the winter start refreshing neutralizing my inner poison ※ Kuma bamboo grass is said to counteract the poison. (C)Rika Inami 稲美里佳 ……… 前回 69 より . …... 「 こうふくの橋」へのソフィアのコメント以来、私はいくぶん気を取り直してソフィアと 付き合っていた。 春のイースターには、ソフィアの兄夫婦が彼を訪ねてきた。兄夫婦は彼らの双子の孫を連れてきた。ソフィアはその日に一番最初に撮ったという写真を見せてくれた。 60 代の仲の良さそうなカップルに、ナーサリースクールに通っているという、金髪の髪をポニーテールをした可愛い双子の女の子たちが水辺を背景にして写っていた。ソフィアを含めて、皆でイースターホリデーには近くの池にピクニックに行ったということだった。 写真は双子の女の子に焦点をあて、数十枚撮ったということであった。 そうした写真は、後日、編集してソーシャルメディアの Y に投稿する予定とのこと。 内心、私は、この写真は本当は誰の写真だろうと思いつつも、彼の話に合わせた。 <最近のソフィアは、以前よりも現実世界に向けての肉付けがうまくなってきたな>と私は思った。ここで演じる彼は、そのアカウントの職業になりきっていた。 いや、<それとも、私の思い違いだったのかしら>とも思いさえした。 もはや、彼のアカウントのプロフィールには、国立大学退職者とは書かれていなかった。職業:写真家、詩人、居住地:バーEnglisSophia' 。 つづく ----Story in English Previous 69 --- After Sophia's comment on the tanka, "Bridge of Happiness," my feelings improved somewhat, and I kept on wit...
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