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70-Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---Sophia 19

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冬越しす隈笹の葉のはなやげる春となり我が毒解かれしや in spring… Kuma Bamboo grasses passing the winter start refreshing neutralizing my inner poison ※ Kuma bamboo grass is said to counteract the poison. (C)Rika Inami 稲美里佳 ……… 前回 69 より . …... 「 こうふくの橋」へのソフィアのコメント以来、私はいくぶん気を取り直してソフィアと 付き合っていた。  春のイースターには、ソフィアの兄夫婦が彼を訪ねてきた。兄夫婦は彼らの双子の孫を連れてきた。ソフィアはその日に一番最初に撮ったという写真を見せてくれた。 60 代の仲の良さそうなカップルに、ナーサリースクールに通っているという、金髪の髪をポニーテールをした可愛い双子の女の子たちが水辺を背景にして写っていた。ソフィアを含めて、皆でイースターホリデーには近くの池にピクニックに行ったということだった。 写真は双子の女の子に焦点をあて、数十枚撮ったということであった。 そうした写真は、後日、編集してソーシャルメディアの Y に投稿する予定とのこと。 内心、私は、この写真は本当は誰の写真だろうと思いつつも、彼の話に合わせた。 <最近のソフィアは、以前よりも現実世界に向けての肉付けがうまくなってきたな>と私は思った。ここで演じる彼は、そのアカウントの職業になりきっていた。 いや、<それとも、私の思い違いだったのかしら>とも思いさえした。 もはや、彼のアカウントのプロフィールには、国立大学退職者とは書かれていなかった。職業:写真家、詩人、居住地:バーEnglisSophia' 。 つづく ----Story in English Previous  69 --- After Sophia's comment on the tanka, "Bridge of Happiness," my feelings improved somewhat, and I kept on wit

69-Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---Sophia 18

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69 己が身を知らずにいふはやすきかは顧みて分の幸もとむべき not knowing yourself is it easy to say something? reflecting on yourself you should seek for happiness matched own stature (C)Rika Inami稲美 里佳 ……… 前回 68 より . …...  「こうふくの橋」という橋があった。私は自分をわきまえず、ソフィアの事で悩んでいるのだろうか。そんな思いが、橋を渡りながら私の胸にわいてきた。  投稿した歌にはソフィアもコメントしてくれた。 ……      ……      …… ソフィア: 私たちは、人生のあらゆるときに橋を渡り、人生の重要な転換期に前進したり後退したりします。事実は、私たちが動いているという一方で、問題は、私たちが同時に心を動かしているのかそうでないのかもしれないということです。そうでないならば、不和はいつも或るレベルの不協和音を生み出してきます。そして、しばしば、渡りたいと願っているまさにその橋を破壊するほど重要な不協和音もあります。 今日子: 有意義で詳細なコメント、ありがとうございます。私が読み間違いしていなければ、不和というのは、創造と想像の源であると思っています。協和音だけでは何も生み出すことはできません。というのは、それは平らな穏やかな世界だからです。私たちはお互いに違っています。差異そのものが時折、不協和音を作り出すのです。      一語のなかでさえ、意味の相違を作り出します。   でありながら、私たちは同じ世界に生きています。      協和音と不協和音間の競合の問題を解決するには、弁証法をもって解決するしかあり ません。そうして、私たちは新しい点に飛躍することができるでしょう。      下手な英作、ごめんなさい。 ソフィア: 心から、ほぼ全く貴女のお話に賛成です。闘争無しの人生は、すぐに地獄そのものになります。すべてが「完璧」ならば、改善の余地も試みる理由もありません。        成長するには、少々の緊張が必要です。 未知が私たちを成長へと導き、不完全が私たちを

68-Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---Sophia 17

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68 さすらひのディオニュソス春祭の儀の贄(にえ)の悲哀を仮面しをどる wandering Dionysus dances the secret ritual of sacrifice masking sorrow-shadow at the Spring Festival (c)2020Rika Inami 稲美 里佳    離れがたい感覚があった。それは、一色と出会ったときの感覚と似ていた。どちらが強いかといえば、 WEB 上でだけでなく、現実に出会ったことのある一色のほうであったが、彼は、もはや、 WEB 上であれ現実にであれ、自分の前には表立って現れない人間であると感じていた。常に存在する影であり、私を利用はするが、利用だけして何らのその見返りも期待できない、見えない存在であった。私の気持ちは諦めに傾いていた。が、ソフィアは、 WEB 上のアイコンであれ、私の目に見えていて、その言葉は私の力になってくれていた。 つづく     ----Story in English  from  Previous 67 --- I had an irresistible feeling.  It was similar to the feeling when I encountered Isshiki.  Which sense was stronger, to Sophia or Isshiki?   Not only on the WEB, but also in the real world, I met Isshiki, but I felt that he would no longer appear before me, whether on the WEB or in reality.  He was a shadow that always existed close to me, and he was an invisible entity that had made use of me.   Still, it would be impossible for me to expect any reward for helping

67-Poet of the Fifth Dimension 五次元歌人---Sophia 16

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67 彼岸明け淡雪まひて肩に散る 微塵となり吾もかくあらばや at the End of Vernal Equinox faint snow whirling to my shoulders I, also, wish I became particles and faded so... (C)2020Rika Inami稲美 里佳 ……… 前回 66より . …...     しかも私とチャットしている最中に、ソフィアは彼女らの投稿に行くのであった。  私は、きっと彼は私を特別に思っているに違いないと思い込んでいた。というのは、彼は、私を友だちではなく、「特別」と言っていたからだ。また、私にとっても、彼は私のスマホにバックドアから入ってきた人間で、私が書いたものや私の写真やその他もろもろの私についての事を知っている特別な存在であった。  今思えば、彼はそんな私を見て、面白がっていたのだろうか。だから、わざとらしく、チャット中に、彼女らに投稿に行ったのかもしれない。私という女の反応を見ていたのかもしれない。  私はといえば、そんないやらしい彼に嫌気が差してきてはいたが、彼以上に自分と適う人間はいないと感じていた。何かが一致していた。それはきっと …… 生きている立場、境遇、住んでいる場所等もろもろのこの世の違いを超えたところで …… 何かが一致していた。     つづく   ----Story in English  from  Previous 66 ---       And while chatting with me, Sofia went to read their posts.       I was convinced that I must be more to him because he said I was not a friend but "Special."   For me, he was also a special person who came into my smartphone from the back door and knew everything about my world through readi